DP2 Merrill ファーストインプレッション
DP2 Merrill F2.8 1/40 ISO100
DP2 Merrillを手に入れたのでさっそく感想を書いてみようと思います。
まず全体の使用感ですが、前のDP2よりさらに使い勝手が良くなりました。
起動はとても早く、電源入れたらすぐにシャッターが切れます。撮影終わったあとのデータ書き込みをしている最中に電源を切れば、書き込み終了時に自動的に電源が落ちてくれます。レンズも沈胴しないので書込み中にキャップ付けてそのままカバンにしまえます。
QSボタンのカスタマイズもとても便利です。自分は最初のQSの画面は一番良く変更するISO、オートブラケット、画質、ドライブモードを当てています。
全体の動作もキビキビしてます。SD1は撮影終了後のデータ書き込み中は液晶画面はほとんど使い物にならなかったのですが、DP2 Merrillはデータ書込み中でも絞りや露出などの設定の変更が可能です。これは本当に便利で撮影中のストレスがかなり軽減されました。
さらにデータの書き込み時間もSD1よりかなり速くなってます。
これはSD1と書き込み時間を比較した動画です。
DP2 Merrillは1枚6秒、SD1は1枚10秒くらい書き込み時間がかかるようです。ボディが小さくなってるのに書き込み速度が上がっているので、内部もかなり改善されてるのではないかと思います。
SDカードはサンディスクのエクストリーム(30MB/s)とエクストリームプロ(95MB/s)を持っているのですが、書き込み速度を調べた所、大きな差はありませんでした。DP2 MerrillのSDカードはサンディスクのエクストリームで十分だと思います。それでも十分サクサク撮れます。
使い勝手はいい、速度も十分ということで、気になるのは画質ですが、正直言ってすごいです。
DP2 Merrill ISO100 1sec F4 画面クリックで等倍画像が開きます
画面の隅々まで収差も流れもない完璧な解像をしています。
正直な感想は、「こんな絵今まで見たことがない」です。信じられない画質です。
SD1でもミラーアップして撮ればこれと同等の絵を出してくれるのですが、画面隅々まで完璧な解像をしてくれるレンズはシグマのラインナップの中でもほとんどありません。
DP2 Merrillと同じ焦点距離の30mm F1.4 EX DCをSD1に付けて比較をしてみましたが、中央だけならいい勝負です。
DP2 Merrillは開放F2.8 SD1+30mmもF2.8
でも一番の違いは周辺画質です。
両方共F2.8
もう全く別次元です。しかもこれDP2は開放F2.8ですから本当にすごいレンズです。
点光源のボケも前のDP2と比べたら随分おとなしい、綺麗なボケになりました。
DP2 Merrill F2.8開放
ボケの量も前のDP2より増えてますので、もっとボケを生かした作品作りが楽しめそうです。
ダイナミックレンジもちょっと調べてみました。
まず前のDP2で露出を+2.0と+3.0にしてSPPで下げた画像がこちら
DP2 F2.8 0.4sec +2.0
DP2 F2.8 0.6sec +3.0
+2.0の方はほとんど飽和してなくて色転びもありませんが、+3.0の方は折り目の上のほうからピンクになってる帯が出てるので、ここが飽和してます。
それと同じ絞りとシャッター速度のDP2 Merrillの画像
DP2 Merrill F2.8 0.4sec
DP2 Merrill F2.8 0.6sec
DP2 Merrillも露出+2.0相当の方は色も転んでないし、十分使えます。+3.0の方は色転びの帯がDP2よりも大きく出てるので、やはり少しだけ前のセンサーよりは飽和しやすいようです。
しかし、画素数が3倍に増えてるのにこの程度の差しかないというのは、別の見方をすれば本当にすごい進歩だと思いますね。
ちなみに、全く同じ露出と絞りでSD1で撮った画像がこちら。
SD1+30mm F1.4 EX DC F2.8 0.6sec
薄いオレンジの色が全部飛んでなくなってます。DP2 MerrillよりもSD1の方が飽和が早いということは、ひょっとしたらDP2ではセンサーや周りの回路に改良が加えられてよりダイナミックレンジが広くなったのかもしれません。
さて、ということで素晴らしい性能のDP2 Merrillですが、最後にちょっとだけ改善点というか、不満な点を書いてみます。
まず一番の不満はMFダイヤルの使いにくさです。
前のDP2の時は無限遠から最短までダイヤルを回すだけですぐにピントを移動できましたが、DP2 Merrillのダイヤルは速度が遅くて何度もグルグル回さないと狙ったピントに行き着きません。
もうちょっと回す速度や量への感度を上げて、もっと早くピント移動できるよう、もしくはファームウェアで自分好みの速度に調節できるよう仕様を変更して欲しいです。
また、前のDP2ではダイヤルを最後まで回せばそのまま無限遠になりましたが、DP2 Merrillは無限遠を通りすぎてもピントが動き続けます。これは夜景を撮る時にはかなり不便です。ピント精度の関係で無限遠に自動で止まるようにはしづらいのかもしれませんが、可能なら改善をして欲しい部分です。
おそらく誰も期待していなかった動画機能ですが、自分はちょっとだけ期待してました。それは、録画中にフォーカスの変更が可能になるんじゃないかという期待です。
ですが、DP2 Merrillでも残念ながら録画中にフォーカスの変更はできません。せめてMFだけでもいいので録画中にフォーカスの変更ができるようになって欲しいです。
自分はあまり気にならないのですが、周辺の緑被りがけっこう出てるので、これも改善したほうがいいと思います。
もう一度さっきの中央と周辺の画像を見てみます。
上の中央と周辺で解像度の比較をした画像を見比べるとよく分かると思うんですが、SD1+30mmの方は色があまり変わっていないのに、DP2 Merrillの周辺は露骨に色がおかしくなっています。多分すぐに対策が取られるとは思いますけど。
あとはやはりバッテリーですね。100枚行かないのはちょっと厳しいので、バッテリーが2つか3つ入るようなパワーグリップを作ってもらえると本当に助かります。
さて、いくつか細かな不満はありますが、全体としては本当にすごいカメラだな、というのが正直な感想です。
SD1に最高のレンズを付け、厳密なピント合わせやミラーアップをしてようやく手に入る画質が、DP2 Merrillなら、ブレないように構えてシャッターを押すだけですぐに手に入ってしまうというのは驚異的です。
小型のボディなので、毎日持ち歩いても苦になりません。日々遭遇する小さな驚きを気軽に写真に収める。そして、それがそのまま最高画質であるというのは、普段の生活が変わってしまうくらいの、大きなインパクトがあります。
DP2 Merrillを使った新しい表現、新しい写真が、多分これからたくさん生まれてくるのでしょう。
僕もその流れに乗って、楽しんで写真を撮ろうと思います。
ということでファーストインプレッションでした。
カメラのキタムラでシグマ製品を購入
DP2 Merrillを手に入れたのでさっそく感想を書いてみようと思います。
まず全体の使用感ですが、前のDP2よりさらに使い勝手が良くなりました。
起動はとても早く、電源入れたらすぐにシャッターが切れます。撮影終わったあとのデータ書き込みをしている最中に電源を切れば、書き込み終了時に自動的に電源が落ちてくれます。レンズも沈胴しないので書込み中にキャップ付けてそのままカバンにしまえます。
QSボタンのカスタマイズもとても便利です。自分は最初のQSの画面は一番良く変更するISO、オートブラケット、画質、ドライブモードを当てています。
全体の動作もキビキビしてます。SD1は撮影終了後のデータ書き込み中は液晶画面はほとんど使い物にならなかったのですが、DP2 Merrillはデータ書込み中でも絞りや露出などの設定の変更が可能です。これは本当に便利で撮影中のストレスがかなり軽減されました。
さらにデータの書き込み時間もSD1よりかなり速くなってます。
これはSD1と書き込み時間を比較した動画です。
DP2 Merrillは1枚6秒、SD1は1枚10秒くらい書き込み時間がかかるようです。ボディが小さくなってるのに書き込み速度が上がっているので、内部もかなり改善されてるのではないかと思います。
SDカードはサンディスクのエクストリーム(30MB/s)とエクストリームプロ(95MB/s)を持っているのですが、書き込み速度を調べた所、大きな差はありませんでした。DP2 MerrillのSDカードはサンディスクのエクストリームで十分だと思います。それでも十分サクサク撮れます。
使い勝手はいい、速度も十分ということで、気になるのは画質ですが、正直言ってすごいです。
DP2 Merrill ISO100 1sec F4 画面クリックで等倍画像が開きます
画面の隅々まで収差も流れもない完璧な解像をしています。
正直な感想は、「こんな絵今まで見たことがない」です。信じられない画質です。
SD1でもミラーアップして撮ればこれと同等の絵を出してくれるのですが、画面隅々まで完璧な解像をしてくれるレンズはシグマのラインナップの中でもほとんどありません。
DP2 Merrillと同じ焦点距離の30mm F1.4 EX DCをSD1に付けて比較をしてみましたが、中央だけならいい勝負です。
DP2 Merrillは開放F2.8 SD1+30mmもF2.8
でも一番の違いは周辺画質です。
両方共F2.8
もう全く別次元です。しかもこれDP2は開放F2.8ですから本当にすごいレンズです。
点光源のボケも前のDP2と比べたら随分おとなしい、綺麗なボケになりました。
DP2 Merrill F2.8開放
ボケの量も前のDP2より増えてますので、もっとボケを生かした作品作りが楽しめそうです。
ダイナミックレンジもちょっと調べてみました。
まず前のDP2で露出を+2.0と+3.0にしてSPPで下げた画像がこちら
DP2 F2.8 0.4sec +2.0
DP2 F2.8 0.6sec +3.0
+2.0の方はほとんど飽和してなくて色転びもありませんが、+3.0の方は折り目の上のほうからピンクになってる帯が出てるので、ここが飽和してます。
それと同じ絞りとシャッター速度のDP2 Merrillの画像
DP2 Merrill F2.8 0.4sec
DP2 Merrill F2.8 0.6sec
DP2 Merrillも露出+2.0相当の方は色も転んでないし、十分使えます。+3.0の方は色転びの帯がDP2よりも大きく出てるので、やはり少しだけ前のセンサーよりは飽和しやすいようです。
しかし、画素数が3倍に増えてるのにこの程度の差しかないというのは、別の見方をすれば本当にすごい進歩だと思いますね。
ちなみに、全く同じ露出と絞りでSD1で撮った画像がこちら。
SD1+30mm F1.4 EX DC F2.8 0.6sec
薄いオレンジの色が全部飛んでなくなってます。DP2 MerrillよりもSD1の方が飽和が早いということは、ひょっとしたらDP2ではセンサーや周りの回路に改良が加えられてよりダイナミックレンジが広くなったのかもしれません。
さて、ということで素晴らしい性能のDP2 Merrillですが、最後にちょっとだけ改善点というか、不満な点を書いてみます。
まず一番の不満はMFダイヤルの使いにくさです。
前のDP2の時は無限遠から最短までダイヤルを回すだけですぐにピントを移動できましたが、DP2 Merrillのダイヤルは速度が遅くて何度もグルグル回さないと狙ったピントに行き着きません。
もうちょっと回す速度や量への感度を上げて、もっと早くピント移動できるよう、もしくはファームウェアで自分好みの速度に調節できるよう仕様を変更して欲しいです。
また、前のDP2ではダイヤルを最後まで回せばそのまま無限遠になりましたが、DP2 Merrillは無限遠を通りすぎてもピントが動き続けます。これは夜景を撮る時にはかなり不便です。ピント精度の関係で無限遠に自動で止まるようにはしづらいのかもしれませんが、可能なら改善をして欲しい部分です。
おそらく誰も期待していなかった動画機能ですが、自分はちょっとだけ期待してました。それは、録画中にフォーカスの変更が可能になるんじゃないかという期待です。
ですが、DP2 Merrillでも残念ながら録画中にフォーカスの変更はできません。せめてMFだけでもいいので録画中にフォーカスの変更ができるようになって欲しいです。
自分はあまり気にならないのですが、周辺の緑被りがけっこう出てるので、これも改善したほうがいいと思います。
もう一度さっきの中央と周辺の画像を見てみます。
中央
周辺
上の中央と周辺で解像度の比較をした画像を見比べるとよく分かると思うんですが、SD1+30mmの方は色があまり変わっていないのに、DP2 Merrillの周辺は露骨に色がおかしくなっています。多分すぐに対策が取られるとは思いますけど。
あとはやはりバッテリーですね。100枚行かないのはちょっと厳しいので、バッテリーが2つか3つ入るようなパワーグリップを作ってもらえると本当に助かります。
さて、いくつか細かな不満はありますが、全体としては本当にすごいカメラだな、というのが正直な感想です。
SD1に最高のレンズを付け、厳密なピント合わせやミラーアップをしてようやく手に入る画質が、DP2 Merrillなら、ブレないように構えてシャッターを押すだけですぐに手に入ってしまうというのは驚異的です。
小型のボディなので、毎日持ち歩いても苦になりません。日々遭遇する小さな驚きを気軽に写真に収める。そして、それがそのまま最高画質であるというのは、普段の生活が変わってしまうくらいの、大きなインパクトがあります。
DP2 Merrillを使った新しい表現、新しい写真が、多分これからたくさん生まれてくるのでしょう。
僕もその流れに乗って、楽しんで写真を撮ろうと思います。
ということでファーストインプレッションでした。
カメラのキタムラでシグマ製品を購入