フォビオン現像テクニック(第十八回)メリルセンサーで鮮やかな緑を出す!

SD1 Merrill 300mm F4 APO Telemacro



SD1を使い始めて一番戸惑ったのが鮮やかな緑色がなかなか出ないことでした。


もともとフォビオンに緑が苦手だという印象は持っていません。緑は三層構造で言うところの真ん中なので、二層を通過して光が減衰している赤色よりは光子の量は多いはずですから、情報量も多いでしょう。


実際に今まで旧型のセンサーで撮ってきた緑の色は個人的に満足の行くものばかりです。



SD14 300mm APO Telemacro



しかし、SD1では緑の被写体は彩度を上げてもあまり効果的に緑が鮮やかになってくれません。

これまでフォビオンの赤色の現像に苦労して、露出を下げたり(第二回)、彩度を下げたり、他の現像ソフトを使ったり(第八回)して対処してきました。

しかし、メリルセンサーの緑の現像に関してはノウハウがなく、ゼロから手探りで工夫せざるを得ませんでした。

ようやく最近一番上に上げた写真のように綺麗な緑を出せるようになってきたので、とりあえずその方法を公開したいと思います。

DP2 Merrillの発売も近いですし、せっかく買われた方が夏の鮮やかな緑を現像できなくて、がっかりされるのはもったいないですしね。


さて、ということでいつものようにオートで開いてみます。


イメージ 1
暗いですね・・・


なんか真っ暗なのでとりあえず露出を+2.0にしてみましょう。


イメージ 2
明るくなった


メリルセンサーの素晴らしいところは露出+2.0みたいな無茶をやっても色ノイズがほとんど出てこないことですね。

でもやっぱり緑は色が乗って来ません。初夏の鮮やかな緑のはずなのに画面全体に黄砂が降ったような色になっています。

とりあえず派手にしようということで、コントラスト+2.0、シャドウ-1.0、ハイライト+2.0、彩度+0.5あたりにしてみます。


イメージ 3
あら真っ赤


やりすぎました。

第一回でも説明しましたが、ヒストグラムの下にある警告の表示にチェックを入れて、下限を5、上限を250くらいに設定しておくと白飛びや黒つぶれを判別するのに便利です。

画面が真っ赤なのは明るすぎて露出がオーバーだからなのですが、今回の写真は明るめで現像したいのでフィルライトを下げることにします。-0.3くらいまで下げてみました。


イメージ 4
白飛びが消えた


明るさの調整はこれくらいでいいので色味の調整に入ります。これでも緑は結構出てるのですがちょっと黄色いなということでカラーホイールを適当に調整。6C+4Mにします。

イメージ 5
お、良い感じ


だいぶイメージに近づいて来ましたがもうひと押し足りない。ということでカラーモードを「風景」にします。

イメージ 6派手な緑が出ました



とりあえず良い感じになったのでこれで終了。JPEGに保存します。


いかがでしたか?オートだとくすんだ色にしかならなかった緑もパラメータを変えることで鮮やかな緑になりました。

メリルセンサーでは今までのようにコントラストや彩度を上げても綺麗な緑にならないことが多かったのですが、カラーモードを「風景」に変えると特に効果的です。

皆さんもぜひ試してみてください。



ということで今回はここまでです。

ではまた次回!