もしもシグマのマネジメントが弱気だったら

ネタ記事です

デジタル一眼レフ黎明期

それまでボディ単体でカメラを売っていた大手メーカーは、安価なズームとセットになったキットを売り始めた。
これはキットレンズが売上の中心であったシグマにとって大打撃だった。

社員「社長!大手メーカーが次々とレンズキットを売り始めています。このままじゃうちのレンズが売れません!」
社長「困ったのう」
社員「もうキットレンズを諦めて利幅の大きい高級レンズ路線に移るべきです!」
社長「値段を上げてしまったらユーザーは純正を買ってしまうんじゃないかのう」
社員「いえ、純正にはない魅力のあるレンズさえ出せればユーザーも分かってくれるはずです!」
社長「そんなレンズうちが作れるのかのう。とりあえずもっと値下げして様子見するかのう」
社員「社長!」

値下げしたことで安かろう悪かろうのレッテルを貼られたシグマ。その後レンズの売上がどんどん先細っていった・・・


デジタルカメラ参入前

自社でも細々とカメラを作っていたシグマ。デジタル時代になってどんなカメラを作るか検討中だった

社員「社長!このフォビオンというセンサーはすごいです!ぜひこれを採用して業界に革命を起こしましょう!」
社長「他に採用しているメーカーはないかの?」
社員「まだ試作品しかない状態で未知数ですから、どこも二の足を踏んでるみたいです」
社長「そんな危ないセンサーは使えんのう。もっと普通のセンサーにしとくかのう」
社員「社長!」

結局ベイヤーセンサーを採用したシグマのデジタル一眼レフ。大手メーカーと差別化できず、さっぱり売れなかった・・・


DP1発売前

社員「社長!今こそフォビオンセンサーを搭載したコンパクトデジカメを発売する時です!」
社長「そんなどこも出していないようなカメラ簡単に作れるのかのう」
社員「確かに開発は難航していますが、必ずや発売までこぎつけてみせます!」
社長「そんな面倒なカメラに予算は回せんのう。SDシリーズだけでも売れればいいのう」
社員「社長!」

結局DPを発売しなかったシグマ。ミラーレスカメラをはじめとする小型ボディ大型センサー時代についていけず、フォビオンも普及しなかった・・・


フォビオン買収前

社員「社長!やはりフォビオン社を買収して、うちの要求する高画素センサーを開発させるべきです!」
社長「買収にはいくらかかるのかのう」
社員「たしかに膨大な額がかかりますが、将来を考えれば必ず必要な投資です!」
社長「今のセンサーでもそれなりにいい写真が撮れるしのう。そんな投資はできんのう」
社員「社長!」

フォビオンを買収しなかったせいで何年にもわたり同一センサーを使い続けることになったシグマ。高画素化の流れについていけず、カメラの売上はどんどん減っていった・・・


SD1発売前

社員「社長!SD1の開発に予想外のコストがかかってしまいました!」
社長「それで、一台あたりいくらになりそうかの?」
社員「このままでは70万円を超えそうです」
社長「そんなカメラ売れるわけないのう」
社員「しかし数年以内には必ずコストを下げてみせます!とりあえず少数でも発売して、この画質を少しでも体験してもらうべきです!」
社長「そんな危ない橋は渡れんのう。SD1は中止かのう」
社員「社長!」

結局SD1を発売しなかったシグマ。センサーの更新ができず一部のマニアだけが買うカメラに留まった・・・



SD1 Merrill発売前

社員「社長!ついにセンサーを安く製造できる方法が見つかりました!これで値下げできます!」
社長「それで、いくらくらいまで下げれそうかの?」
社員「計算したら20万円を切るくらいまではいけます!」
社長「それはちょっと差がありすぎるのう」
社員「しかし、SD1は元々これくらいの値段で売る予定で開発していました。今こそ遅れを取り戻す時です!」
社長「開発投資もたくさんしたし、それも回収しないといかんのう。数年かけて徐々に値下げかのう」
社員「社長!」

結局値下げをしなかったシグマ。他メーカーが安価な3000万画素級のローパスレスカメラを発売していく中、徐々に存在感をなくしていった・・・


サポートプログラム発表前

社員「社長!SD1の値下げ幅が大きすぎるので、高値で買ってくれたユーザーから不満が出そうです!」
社長「そんな事言われてものう。デジタル機器は値段が下がるのが当たり前だからのう」
社員「しかし、最初に買ってくれた熱心なユーザーがいたからこそ、SD1の高画質が徐々に認知されていきました。今こそ彼らの恩に報いる時です!」
社長「カメラ事業はほとんど儲けがないからのう。そんな余裕はないのう」
社員「社長!」

値下げ後にサポートプログラムを用意しなかったシグマ。急な値下げて一般ユーザーから不審な目で見られ、熱心なファンからの信頼も失っていった・・・


DP Merrill開発前

社員「社長!今こそメリルセンサーを使ったDPを開発すべきです!」
社長「一眼レフのボディに載せるだけでも精一杯なのに、DPなんかに使えるわけがないのう」
社員「確かに技術的には困難ですが、必ずや克服し開発してみせます!」
社長「DPにメリルセンサーをつけたらSDとの差別化もできんしのう。しばらくは適当なバージョンアップでごまかすかのう」
社員「社長!」

結局DP Merrillを開発しなかったシグマ。他のミラーレスカメラが性能を向上させていく中、徐々に忘れられていった・・・




こうやってネタを書いてみると、これまでのシグマの決断力ってすごいものがあるなあ。


(2012/02/24 エピソード追加しました)