速報レビュー シグマSD1 dpreview(後編)

前編



右側上面にはドライブモードダイヤルがあり、なじみのある機能が並んでいる。特徴的なのはカスタム設定できるミラーアップ用のUPモードと、オートブラケット用のABモードだろう。セッティングメニューに入ることの出来るFUNCボタンもこの位置にある。



従来のモデルと比べて背面のデザインはすっきりしている。全てのボタンが一つの機能をもち、複数の用途で使うボタンはない。例えば、メニューボタンを二回押すことでキャンセルするのではなく、X印のキャンセルボタンを使用する。撮影中にiボタンを押すとファームウェアバージョン、撮影時刻、メモリ容量が確認でき、画面確認中にiボタンを押すと詳細情報が表示される。



カメラ前面には被写界深度のプレビューボタンがあり、下部にあるボタンを押しながらダイヤルを回すことでフラッシュの露出調整ができる。画面からは見えないがさらに上部にはフラッシュのポップアップボタンがある。


操作と機能

SD1は機能と同様に操作方法も伝統的であり、またシグマのカメラに共通の伝統も引き継いでいる。シグマユーザーはこれらの操作にすぐに慣れることが出来るが、初めての人には少々わかりにくいかもしれない。最も特徴的なものはセッティングメニュー画面が二種類あるということである。

他の一眼レフでも機能が一覧表示される画面や、主要な機能がすぐに変更できる画面は良くあるが、SD1はその両方を備えている。FUNCボタンを押せば機能一覧が表示され、各項目を操作できる。また、QSボタンを押しても同様のセッティングの変更は可能である。


FUNCボタンを押せば機能一覧画面が表示される。全ての撮影に必要な機能がこの画面で確認でき、AFポイントや測光方式の変更も視覚的にできる。初期設定ではファンクション画面ではAFポイントの変更が最初に選択され、OKボタンを押すことで次の機能のセッティングに移れる。





AFポイント以外にも10種類のセッティングを変更できる。そのうちISOなど8種類はQSメニューでも変更可能だ。フラッシュモードの変更(一幕、二幕シンクロ、スローシンクロ)も可能である。左右ボタンで機能を選択し、上下ボタンで内容を変更する。

メニューは直前の操作を記憶しており、ファンクション画面に戻ると直前の設定を戻すことが出来る。その時には最初に選択されるAFポイントをまずキャンセルする必要がある。

QS画面

ファンクション画面の他に、シグマユーザーにはお馴染みのQSメニューもある。カメラ背面のQSボタンを押せばこの画面になり、上下左右ボタンがそれぞれの機能に対応している。もう一度QSボタンを押すことで別画面に切り替わる。



全てのパラメーターの操作は十字キーにそれぞれ対応している。例えば、最初の青色QS画面で右ボタンを押せば4つの測光モードを順に選択していく。どの画面にどの項目があり、どの順番で表示されるのかは画面で確認できないので、各項目の表示順を記憶するまでは画面を良く見ておかなければならない。



ダイレクトボタン

ファンクション画面やQS画面の他に、SD1にはダイレクトボタンが複数ある。

それぞれ、ISO、測光方式、AFポイント、露出、フラッシュの各項目を設定できる。これらのボタンを押しながら二つあるうちのどちらかのダイヤルを回せばパラメーターを変更できる。ISOボタンだけは押しながらダイヤルを回すのは不便かもしれない。この5つの項目はファインダーをのぞきながら変更できるように設計されているが、ファンクション画面で変更することも可能である。この時には十字キーではなくダイヤルを使って設定を変更しなければならず、少々不便だ。


画像プレビュー

画像プレビューには変わった所はない。画像を確認するときどれだけの情報を表示させるか選ぶことが出来る。拡大表示もサムネイル表示もできる。白飛び警告も常に表示かOKボタンを押した時に表示か選ぶことが出来る。

プレビュー画面でiボタンを押すと、ヒストグラムやAF選択ポイントを含んだ、さらに詳しい情報を表示することが出来る。




まとめ

SD1はそのイメージ通り、写真撮影だけに特化したカメラである。AかSモードの時にボタンを押さなければ露出変更がダイヤルで出来ないといった奇妙な部分はあるが、大きな欠点とはいえない。また、ホワイトバランスなどではなく、測光モードが独立したボタンを与えられており、より頻繁に使われるだろうISOボタンよりも操作しやすい場所に測光モードボタンが配置されているというのも疑問に思う。

2つの全く異なったセッティング画面があるというのも奇妙だ。さらに両方の画面とも、二つあるダイヤルを使用しないで操作しなければならない。ファンクション画面ではダイヤルはシャッター速度か絞りに固定されており、QS画面では二つのQSメニューを切り替えるだけしか出来ない。SD1で二つのダイヤルが独立して機能するのはメニュー画面を操作する時だけである。メニュー画面では前面のダイヤルでメニュー内容を上下させ、背面のダイヤルでタブを切り替える。

それ以外では、特に操作に不満を覚えるようなことはない。全ての操作はとても機能的で実用的だ。しかし、ダイヤル操作のカスタム設定を増やし、それぞれをファンクション画面とQS画面の操作に使用できるようにしたらもっと使いやすくなるのではないだろうか。