山木社長インタビュー in 台湾 2013 (その2)



 -18-35mm F1.8 HSMについて多くのユーザーが関心を寄せています。発売日はいつ頃か、また価格はどれくらいになるのでしょうか。

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山木:今回SD1に付けて18-35mmを持ってきたのですが、価格や発売日などの詳細についてはお伝えすることはできません。しかし、今年の夏には発売できるのではと思っています。

量産にとりかかる前にやらなければいけないことがありますし、新製品の発売はいつもリスクがあるのです。どれくらい部品を確保すべきなのか決めるのは難しいですし、時として大量に作りすぎてしまうこともあります。

しかし、今年の夏に量産を開始して、順次複数のマウントで発売していけると思います。価格はまだ未定ですが。

 -APS-Cのマーケットは既にかなり成熟しているのではないかと個人的には感じているのですが、18-35mm F1.8を皮切りに、F1.8ズームをAPS-C用に展開していくといった予定はあるのでしょうか?

山木:先程も申しましたように、私達は常にユーザーの皆さまを驚かせるような製品づくりをしていきたいと思っています。私達には革新的な製品を作るだけの力はありますし、どんな可能性も否定しません。しかし、今後発売するレンズの詳細に関してはここで話すことはできません。これからも皆さまを楽しませるような製品を作り続けていくことは約束します。

 -個人的な話ですが、私はフルサイズもAPS-Cも何台か所有しており、重さや性能などのバランスの面でAPS-Cの方が好みです。

山木:そうでしょうね。私もフルサイズは好きですが、将来APS-Cが消えてフルサイズだけになるという考えには賛同できません。それぞれのフォーマットには特徴があり、長所短所がありますから。

 -ニコンキヤノンといった会社がシグマのレンズを使えなくするといったことが将来起こる可能性はあるのでしょうか?18-35mm F1.8といった純正にはないレンズが脅威となるのではないかと思うのですが。

山木:個人的には、そういうことはないと思っています。相互に敬意を持ってビジネスをしています。

 -シグマの一眼レフであるSD1は素晴らしい画質の優れたカメラですが、次世代のカメラはどのようになるのでしょうか?

山木:改良すべき点はたくさんありますね。まずは画像処理エンジンを改良しなければいけません。書き込み速度が向上することはもちろんなのですが、JPEG画像の画質をもっと良くしていく必要があります。私自身はRAWで撮っているのですが、まだJPEGで撮るユーザーの方が多いですから。

 -もっと安価な初心者向けのSDを発売する予定はありますか?

山木:私達は常に最高の品質の製品を手頃な価格で提供したいと思っていますし、開発部門も経営部門も、それに向けて動いています。どのような可能性も否定しません。

 -それはつまり、安価なSDが出ると思っていいということでしょうか。

山木:とりあえずノーコメントということでお願いします(笑)

 -シグマは現在ミラーレス用に19mm, 30mm, 60mmの各DNレンズを販売しています。将来SONY NEX専用とM4/3専用に別々に設計するようになるのでしょうか?それとも、今後も今と同じように複数マウントで共通の設計なのでしょうか?

山木:今の時点では、現在のNEXM4/3の複数マウント共通のままでいく計画です。将来的に個別に設計する可能性はないわけではありませんが、今の状況ではこのままですね。

 -DPシリーズの売れ行きはどうでしょうか?

山木:DP2が一番売れていますね。次がDP1DP3は比較的少ないです。

 -DP2DP3にはどうして手ブレ補正機能が付いていないのでしょうか?特にDP3焦点距離なら手ブレ補正のメリットは大きいと思うのですが。

山木:まず、コンセプトとしてDPシリーズは小型のボディで作りたかったというのがあります。DP3は少し大きくなってしまいましたが、画質を最優先にした結果です。これにさらに手ブレ補正機能を搭載しようとすると、さらにボディが大きくなってしまいます。

まず高画質を追求し、さらに小型で作ろうとすると、そこに手ブレ補正を入れることは難しくなります。

 -もし次世代のDPが出るのなら、画質を多少犠牲にしても手ブレ補正を付けて欲しいというユーザーはいると思います。

山木:参考にさせて頂きます。

 -社長はご自身で自社の製品を買われているという話を聞いたのですが、現在はどのような機材をお持ちなのですか?

山木:よく知っていますね(笑)実をいうと、社内価格というものがありまして、社員は全員店頭価格よりも多少安く製品を買うことができます。私もその値段で買っています。今手元にSD1があるのですが、それ以外にもDP1, DP2Merrill,x,sの各バージョン、DP3 Merrill35mm F1.450mm F1.485mm F1.470-200mm F2.830mm F1.417-70mmも持っていますが、これは古い型で、近々新しい方を買おうと思っています。あとまだいくつかありますね。

 -単焦点がお好きなようですね。

山木:そうですね。私はそれほど上手くはないのですが、外を出歩いている時に写真を撮るのは好きですね。

 -シグマが最近単焦点に力を入れている理由がわかった気がします(笑)経営者としての手腕もさることながら、写真家としても確かな実力をお持ちだと思います。写真はいつ頃始められたのですか?

山木:若いころは写真は特に好きではありませんでした。実家の商売ですからね(笑)もし親が毎日ラーメンを売っていたら、多分食べるのも嫌になると思います。

写真を始めたのは15歳の頃です。どうやって操作するのかはその頃から知っていたのですが、写真が好きになったのは20歳を超えてからですね。

 -台湾の写真家についてはどう思われますか?

山木:台湾の写真家はとてもスマートな印象を持っています。カメラのブランドではなく、純粋に性能を見て判断しているので、とても嬉しいですね。ここでお礼を言わせて下さい。台湾のシグマユーザーの皆さま、ありがとうございます。

また、シグマとしてというよりは、日本人として、先の震災の時に多大な援助を頂いたことにとても感謝しています。ありがとうございました。

 -貴重なお時間をありがとうございました。これからもシグマから素晴らしい製品が発売されることを期待しています。

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