DP1 & DP2 Merrill フィールドテスト&レビュー(その1)



The Camera Store TV クリス・ニコルス
Luminous Landscape ニック・デブリ

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クリス「The Camera Store TVにようこそ!僕はクリス・ニコルスだ。今まで色々なカメラをレビューしてきたんだけど、今回はシグマのDP1DP2 Merrillを取り上げようと思う。

このカメラは使い勝手が悪いせいか実際に持ってる人があんまりいないんだけど、今日は実際にこのカメラを買って使ってる人に来てもらった。

ニック・デブリンだ。今日は来てくれてどうもありがとう。ニック、マジでこのカメラ買ったのかい?」

ニック「信じられないかもしれないけど本当に買ったよ(笑)このカメラのことは一般的にはあんまり知られてないみたいなんだけど、今回のレビューでそういうイメージを変えれればいいなと思ってる」

クリス「なるほど。ニックは今回、この小さなカメラでものすごい写真が撮れるってことを証明してくれるそうなんだ。じゃあさっそく、実際にフィールドで使ってみて、どんな写真が撮れるのかみてみよう」

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クリス「まずシグマのカメラについて聞きたいんだけど、いったい他のカメラと何が違うんだい?これが最初のDPってわけじゃないよね?」

ニック「ベイヤーセンサーは基本的に色を補完して写真を作ってるんだけど、ディック・メリルっていう人が、各ピクセルで色を正確に記録できるFOVEONっていうセンサーを作った。だからFOVEONセンサーで撮られた写真は色を補間してないんだ」

クリス「そのセンサーを使えば暗いところでも綺麗な写真が撮れるの?」

ニック「もちろん!このカメラの場合ISO100よりも上の感度でも、そうだな、ISO125とかISO160だったら完璧な写真が撮れるよ」

クリス「おいおい、ISO160って、何だよそれ(笑) まあいいや、要するにこれは三層構造をしてるからデータサイズがこんなにバカでかいんだよね?5000万画素クラスのサイズだよ。そのくせ、実際の画像サイズはそれよりもずっと小さいし」

ニック「データサイズが大きいことは良いことだよ。メールに添付して送ったりしなければね(笑)」

クリス「まあ、そうなんだろうけど、データがでかいくせに実際の画像は3分の1のサイズしかないんだから、何だか騙された感じだよ」

ニック「クリス、僕も最初は君みたいにこのカメラのことを胡散臭いと思ってたんだよ。でも、実際に撮れた写真をディスプレイで確認して、すっかりこのカメラのファンになったんだ」

クリス「うーん、でも今日確認したいことはたくさんあるんだ。使い勝手だったり、どんな条件でどういう写真が撮れるのかとか・・・」

ニック「そういうことなら、ここでグダグダ言ってても始まらないよ。とりあえず使ってみよう」

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クリス「よし、撮ったぞ。画面確認ボタンを押してと・・・1秒、2秒、3、4、5、おい、マジかよ、10秒!ようやく書き込み終了。一番速いカード使ってるのに10秒もかかるのか!」

ニック「クリス、これを普通のデジタルカメラだと思っちゃだめだよ。100万円するアルパに80万円のフェーズワンデジタルバックを付けたのと同じ画質なんだ。それがコートのポケットに入る大きさで、9万円で買える」

クリス「もし本当に、このカメラの画質がそこまですごいんだったら、これは本当にとんでもないカメラだし、バーゲンプライスだと思うよ」

ニック「気をつけなきゃいけないことは一つだけだ。プロ用の機材を使うときと同じように、三脚に乗せて、構図をしっかりと決め、しっかりと露光させること。それだけでこのカメラの真価がわかるよ」

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クリス「ニック、ちょっと問題が発生した。35枚写真を撮っただけなんだけど、バッテリーが空になったんだ。気温は-2度だから、そんなにものすごく寒いわけじゃない。これって普通なの?」

ニック「フィルムだったら36枚で一本終わるよね」

クリス「・・・(笑)え?マジで?冗談だよね」

ニック「別に冗談じゃないよ(笑)僕のは70枚でバッテリーが切れた。まあ寒いしね」

クリス「バッテリーひとつで70枚しか撮れない!ちょっと待ってよ、今使ってるSDカード16GBだから200枚か250枚以上写真撮れるはずなんだけど、ひとつのバッテリーで70枚!?」

ニック「バッテリー交換なんか簡単なんだから、新しいのに換えればいいんだよ」

クリス「シノゴで写真撮ってるんじゃないんだからさ。つまり、この小さなバッテリーはフィルムで一本分の写真が撮れて、フィルムと同じように全部撮り終わったら外してまた新しいのを入れるってこと?」

ニック「うん。フィルムと一緒だよ」

クリス「マジかよ!」

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ニック「このカメラのいいところは一日中持ち歩いても、全然苦にならないってことだね」

クリス「確かにこのカメラはコンパクトだよ。でもレンズ交換できないから焦点距離を変えようと思ったら二台持ち歩かなきゃいけないよね。一つは30mm F2.8で35mm換算だと45mmになる」

ニック「うん。で、もう一つは19mm F2.8。これは28mm相当になるね。シノゴだとこの組み合わせは150mmと90mmってことになるのかな?」

クリス「いやいや、フィールドカメラの話じゃないんだから(笑)でも、確かにカメラはコンパクトだけど、こうやって常に三脚につけて撮ってるとほんとにフィールドカメラ使ってるみたいだよ」

ニック「三脚もそうだけど、換えのバッテリーを何十個か持っておくと安心だね」

クリス「そうそう、何十個って(笑)メモリーカードも64GBのが何枚かあると安心だね。全くひどい話だ(笑)」

ニック「バッテリーもメモリーもたいしてかさばらないんだから、十分あるに越したことはないよ」

クリス「確かにね。でも、こうやって三脚に付けて丁寧に写真撮ってると、何だか心が洗われてくる気がするよ」

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クリス「なるほど、この2つの焦点距離の組み合わせはいいね。すごいシャープだ」

ニック「レンズは本当にすごいよ。このカメラの性能はレンズによるところが大きいね。センサーにぴったり合うように配置された特別設計だから。特に30mmはすごいよ。めちゃくちゃシャープだ」

クリス「確かに、こうやって画像を確認しててもそれはわかるよ。でも、わざと意地悪な質問をしてみるけど、このカメラができることは他のカメラでもできるんじゃないの?ISO100だったら何で撮ってもみんな綺麗だって言うだろうし。それにもっと違う焦点距離で明るいF2やF1.8のレンズを持ったカメラもたくさんあるよ」

ニック「DPに勝てるカメラはないよ。フジのX100だろうとソニーのRX1だろうと、次元が違うんだ」

クリス「うん、実は僕もそう思い始めてるところだ(笑)」

ニック「一つ気をつけることがあるとすれば、風景撮影の時だね。DPはAPS-Cサイズのセンサーを使ってるから、被写界深度がフルサイズよりも深いんだ」

クリス「それは確かにそうだね。特に今日みたいな被写体の時はメリットが大きいよ」