フォビオン現像テクニック(第十五回)戯れる子猫はセピアに現像してノスタルジーを演出する!

SIGMA SD14 50mm F1.4 1/60 ISO50



花や子供、昆虫などと並んで、猫は被写体としてとても人気です。

被写体として可愛くて魅力的ですし、動きが面白くていつまで撮ってても飽きないですよね。

猫はどんな姿でも可愛いのですが、会心の表情が撮れた時は、できるだけそれを活かすような現像をしてあげたいものです。ということで、今回はノスタルジックなセピア色に現像してみましょう。


さて、上の猫は港付近に出かけた帰り道、たまたま遭遇した野良猫です。こういう時こそ持ってて良かった一眼レフ!DPじゃああまり近づけないですし、AFも早くはないので逃げられてしまうかもしれません。


イメージ 1
猫発見!



さて、猫を発見しても慌ててはいけません。飼い猫ではなく野良猫なので、人を警戒して逃げられてしまうかもしれません。

とりあえず離れた所でカメラの準備。レンズは50mmしか持ってなかったので50mmで、撮影後をイメージして絞りは開放のF1.4で背景をぼかす感じで。ISOは西日が当たってるのでシャッター速度は十分と考えて50でいきます。

カメラを構えてしゃがみながらジリジリ近づいていきます。案外近づいても平気。逃げられません。餌付けでもされてるのでしょうか。



イメージ 2
めっちゃ見てる



よっしゃ動くな、と思いながらシャッターを切ります。警戒されてないのかそのうちじゃれあい出しました。



イメージ 3

おお!



これはいいのが撮れた、ということでひとまず退散。

ということで現像に入りましょう。


いつもなら何も考えずにコントラスト+2.0にするのですが、被写体に絶対的な強さがある時は、現像はおとなしめでも大丈夫だと思います。

ということで、ほんのちょっとだけコントラスト上げて+0.5に、シャドウをちょっと下げて-0.5に、ハイライトを0に、フィルライトを+0.3にします。

さらに普段はほとんどいじらないホワイトバランスを曇りにして、温かい色合いにします。最後に全体的に明るいので露出を-0.8まで下げます。


イメージ 4
ちょっと黄色い



明るさのバランスはこれでいいのですが、色がちょっと難しいな、ということで彩度を下げて色彩をならしてからセピアっぽく仕上げることにします。彩度を-1.0にまで下げてみます。


イメージ 5
雰囲気出てきた



ここからイエロー方向に振ってセピアっぽくします。今回は11M+21Yにしました。最後にヒゲを強調するためにシャープネスを+2.0にします。



イメージ 6
ちょっと赤かったかな


まあこれでいいや、ということでひとまず完成。JPEGに保存します。


どうでしたか?西日が差し込んだ、けっこう色の扱いが難しい状況でしたが、彩度を落としてからセピアっぽく仕上げることでいい雰囲気を出すことが出来ました。

じゃれあう子猫、という被写体としては格好のものが撮れたので、こういう時はコントラストをあまり強くせず、オーソドックスに仕上げたほうが、より主題の魅力が引き立つと思います。

フォビオンは現像の幅が広いので、パラメーターをちゃんと調整すれば、しっかりと自分のイメージ通りの写真が現像できるんですね。みなさんもぜひ試してみてください。


ということで、今回はここまでです。


ではまた次回!


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