フォビオン現像テクニック(第十四回)DP1の風景は六本の光芒で輝きを増す!

SIGMA DP1s F7.1 1/1250 ISO100



世の中にはたくさんの種類のカメラやレンズがありますが、その中には良いレンズや悪いレンズ、あるいは良いカメラや悪いカメラというものは、ないんじゃないかと思います。

世の中にはただ個性の違うカメラやレンズがあるだけです。なので、使い手はそれぞれの機材の個性を理解して、長所を最大限発揮できるような状態で撮影することを心がければ、どんな機材でも良い写真は撮れるものだと思います。


世の中に数多くあるカメラの中でも、シグマのカメラはその個性がより強いカメラだと思います。さらにその中でも、換算28mm F4の単焦点レンズを搭載したDP1の個性というのは、最も強烈なものではないでしょうか。

強烈であるがゆえに、撮る状況や被写体を選びます。けれども、だからこそ、DP1でしか撮れない世界があるのも事実です。今回はDP1の特徴の一つである、六本の光芒を使う作例を紹介したいと思います。


光芒というのは、レンズの絞り羽根の形状によって異なり、絞り羽根の枚数が偶数だと羽の数だけ、奇数だとその倍の数の光芒が現れます。また、円形絞りだと光芒は発生しづらくなります。

DP1は六本の光芒が出ますので、通常絞りの6枚羽根だと思います。DP2は14本光芒が出ますので、7枚の絞り羽根を使っているのでしょう。これは同じレンズを使ってるDP1s、DP1xDP2s、DP2xでもたぶん同じです。

後継機のDP1/2 Merrillは9枚絞りだと公表されているので、おそらく光芒は18本でしょう。つまり、六本の光芒が出るのはこれだけということになるので、現行のDP1で光芒を使った撮影を楽しみましょう。



今回の写真は最初から銅像の近くに太陽を置いて、光芒を出すつもりで撮りました。絞りはなるべく絞ったほうが綺麗に光芒が出るのでF7.1で、立ち位置をちょっとずつずらしながら、ちょうどいい位置に光芒が出るまで何枚か試し撮りしました。


イメージ 1
完全に隠れて光芒が出てない


イメージ 2
光が強すぎてポテト状態


イメージ 3
キタ!



この時はちょうどDP2も持っていたので、念のためDP2でも同じような感じで撮っておきました。


イメージ 4
イマイチ


やっぱり、光芒の美しさはDP1に軍配が上がります。ということで、DP1の上手くいった光芒の写真を現像することにします。


例によって例のごとく、コントラストを+2.0に、シャドウは-1.0にします。


イメージ 5
いい感じ


黒が締まってグッと雰囲気が出ました。このまま派手な感じに現像します。露出を下げて-0.5に、ハイライトを上げて+1.0に、彩度を+0.4に、シャープネスも+1.0にします。


イメージ 6
ちょっと黄色いかな



色がイマイチな気がするので、雲をホワイト指定して11C+11Mに、さらに露出警告を出して画面の白飛びを確認します。



イメージ 7
真っ黒


空の警告が黒いのは、青に寄り過ぎているからでしょう。警告が出ていても絵として成立してればオーケーなので、警告を外して確認してみましょう。


イメージ 8
いいじゃん



ということでこれで完成。JPEGに保存します。


どうでしたか?光芒を出す位置をちょっと工夫しなくてはいけませんが、上手くはまればDP1にしかできない、個性的な写真が撮れる事がわかってもらえたと思います。

DP1は絞り開放から画面の周辺まで解像する、素晴らしく高性能なレンズを搭載しています。このレンズとフォビオンセンサーの組み合わせで得られる写真は、やはり唯一無二だと思います。

みなさんも、DP1を使う時は被写体に光源を入れて、光芒を活かすような写真を撮ってみてください。きっと今までとは違う雰囲気の写真が撮れると思います。

ということで今回はこれまでです。

ではまた次回!




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