フォビオン現像テクニック(第十回)トワイライトのグラデーションはISO50で滑らかに移りゆく!
フォビオンが得意とする被写体は数多くあるのですが、その中でも特に優れているのが夜明けや日没前の、マジックアワーのグラデーションだと思います。
一つ一つのピクセルで色をしっかりと取り込むことができるので、刻々と変わる空の色合いを、ちゃんと記録できるんですね。
仕事をしている人はなかなか日没の時間帯に写真は撮れないと思うのですが、そういう人はちょっと早起きをして近所の眺めのいい場所から空を大きく写し込んで、夜明けの写真を撮ってみてください。家に帰ってSIGMA Photo Proでファイルを開いたら、きっとその色合いに感激すると思います。
さて、第一回で「ISOは基本的に100」と書いたのですが、これは一番失敗の少ない感度がISO100だという理由で書きました。ダイナミックレンジが一番広いので、露出のミスを回復しやすいんですね。
でも、色の描写を最優先にすると、ISO50の繊細さと色の濃さはISO100よりも上です。ISO50はハイライトの白飛びが起こりやすく、露出が難しいのですが、マジックアワーのグラデーションといった、色の階調が大事な写真はISO50でチャレンジする価値は十分あります。
露出が難しいといってもオートブラケット±0.7くらいで3枚撮ってやれば、そのうちの一枚はたいてい大丈夫だと思います。ということで、ISO50を使う時はそのことを頭に入れて、同じ構図でも露出を変えながら撮るといいと思います。
ちなみに今回の写真もオートブラケットで3枚撮ったうち、唯一白飛びしてなかった-0.7の写真です。
ということで、さっそくオートで開いてみましょう。
フォビオンマジですげー
オートで開いただけで、もうお腹いっぱいです。もうこれ以上別にいじらなくてもいいかなと。
ISO50は露出さえ当たれば、それはもう凄まじい色を吐き出してくれます。フォビオンは三振かホームランかなどと揶揄されますが、その中でもISO50は、トリプルプレーか逆転満塁サヨナラホームランかというくらい振れ幅が大きいです。
ということで、今回は大当たりなので、これ以上何もする気はなかったんですが、せっかくなのでちょっとだけコントラストを上げてシャドウを締めてみましょう。コントラストを1上げて+1.2に、シャドウを-1.5にします。
ちょっとハイライトが飛んだ
コントラストを上げたことでハイライトが飛んでしまったので、露出を下げて0に、フィルライトを+0.4に、さらに警告を見ながらハイライトを下げて-0.3にしました。最後にちょっとだけ彩度を上げて+0.3にします。
ちょっとだけ飛ばす感じで
とりあえずこれでいいや、ということで完成。JPEGに保存します。
どうでしたか?ISO50は扱いがちょっと難しいのですが、露出さえ決まればいつもよりもさらに深い色合いの、美しい画像を作ってくれる事がわかってもらえたと思います。
感度を下げることでシャッター速度が遅くなるというデメリットもあるのですが、三脚を使用したり、カメラを固定したりすれば、美しい写真が簡単に現像できますよ。
ということで、今回はISO50を使ってマジックアワーのグラデーションを現像する方法でした。みなさんもぜひ試してみてください。
ではまた次回!