フォビオン現像テクニック(第六回)彩度を上げて日常を非日常に変える!

SIGMA DP1s F5.0 15秒 ISO100



写真撮影が趣味だという人は世の中にたくさんいると思うんですが、だからといって写真ばかり撮ってるわけにも行きませんよね。

毎日学校や仕事があり、あくせく過ごしているうちに休日が来ても、疲れてどこにも行く気になれない。そういう人も多いんじゃないかと思います。

観光地や名所旧跡に行ったりイベントなどに参加すれば、いい写真が撮れそうな気もするのですが、交通費や入場料などを考えるとわざわざ行くのもな、と億劫になる。

かといって、徒歩で行けるような範囲に絵になるような場所もなく、せっかく買った一眼レフもホコリをかぶってしまう、そんなこともあるのではないでしょうか。

そんな忙しい現代人にこそオススメなのが、フォビオンセンサーを搭載したシグマのカメラだと僕は思います。


これまで連載で書いてきたように、フォビオンのRAWは現像することで自在にその画像を変えることができます。それは普通に今見てる景色を、全く異なった面から見れる、ということでもあります。

通勤通学の行き帰り、見慣れた景色だと思っていたものが、シグマのカメラで撮影し現像したあとでは、自分が思っていたのと全く違っていた。そういう経験をされた方は多いのではないでしょうか?

ありふれた景色を魅力あるものに一変させる力が、フォビオンにはあります。

ということで、今回はよくある街並みをガラっと変える方法です。



さて、早速SPPでオート現像してみましょう。元画像はこんな感じです。

イメージ 1
歩道橋の上から撮った道路



まあ、正直言って微妙ですね。カメラの真上に照明があって、そのせいでコントラストが低くなってます。

とりあえずコントラストを上げましょう。コントラストを+2.0に、シャドウを-2.0まで下げて、ハイライトを+0.5。フィルライトも+0.3にします。



イメージ 2
パッとしない



なんかどうにもならないですね。

コントラスト上げてもダメなので、思い切って彩度を上げてみましょう。面倒なので+2.0にします。



イメージ 3
黄色い・・・



なぜか道路が黄色くなってしまいました。照明が微妙にオレンジを含んでて、それで彩度を上げたから強調されたんですね。

とりあえずアスファルトを普通の色にしたいので道路をホワイト指定します。




イメージ 4
青くなった



第四回 でもやりましたが、補色の関係で黄色いものをホワイト指定すると全体が青くなります。今回も黄色い照明に照らされた道路をホワイトにすることで、全体が青くなりました。

これは面白い写真になりそうだということで、これをベースにもう少し調整します。とりあえず露出警告を出してみましょう。



イメージ 5
すごいことになってる



とりあえず道路が少し明るすぎるので、露出を-0.5に、フィルライトを+0.5まで上げてみます。青を強めるためにもう少し黄色い部分をホワイト指定しなおしました。



イメージ 6
青が気持ちいい


ド派手な写真になってしまいましたけど、とりあえずこれはこれでアリだな、ということで終了です。
JPEGに保存します。

どうでしたか?

ただの歩道橋から撮った写真でも、コントラストと彩度を上げて色を変えてやればガラっと雰囲気が変わりました。こういう極端な現像をしても絵が破綻しないのは、フォビオンが色の情報をたくさん持っているからなんですね。

特に今回撮影に使ったDPシリーズはコンパクトなボディでありながらものすごい写真が撮れる、本当にいいカメラです。

カバンに入れておけば毎日の生活でちょっとした物を撮り、それを現像することで新しい発見がある、そういう楽しみを得ることができます。

ということで、今回は彩度を上げて見慣れた景色を一変させる方法でした。みなさんもぜひ試してみてください。


ではまた次回!



フォビオン現像テクニック(第十二回)クロスプロセス現像で想像力の限界を突破する!
フォビオン現像テクニック(第十三回)DP2+AML-1で至上のボケを堪能する!
フォビオン現像テクニック(第十四回)DP1の風景は六本の光芒で輝きを増す!