フォビオン現像テクニック(第二回)フォビオンの赤は艶やかに光る!

SIGMA DP2 F2.8 1/60 ISO100



フォビオンは赤に弱いという話をたまに見かけるのですが、これは半分は合ってますがもう半分は間違いです。気をつけて現像してやれば上の写真のように鮮やかな赤色を現像することができます。

ということで今回はフォビオンで綺麗な赤を出そうという話です。


上の写真をSPPで開いてオート現像させるとこんな感じになります。


イメージ 1
赤が全部ピンクになっています


フォビオンに詳しくない人はこの時点で現像を諦めてしまうのかもしれません。そういう経験をした人がいるから「フォビオンは赤に弱い」という話が広まるのでしょう。

しかし実は、これはオート現像が上手くいってないだけで、センサーに赤の情報はしっかり記録されています。試しに露出を-2.0にしてみましょう。


イメージ 2
赤の階調が生き返りました!


実際はセンサーにバラの花弁の質感までしっかり記録されています。

フォビオンはそもそも普通のベイヤーセンサーとは違い、赤色を記録する画素が4倍もあります。なので、赤の再現には強いです。

けれども、SPPで現像するとその赤色が他の色よりも早く飽和してしまうので、そこに気をつけて現像をする必要があります。

つまり、「フォビオンは赤に弱い」という話の実態は、「フォビオンセンサーは赤に強いが、SPPのオートは赤の再現が苦手」ということなのです。


さて、今回の写真は露出を下げただけで十分かなと思うのですが、せっかくなのでもうちょっとパラメーターをいじってみましょう。とりあえずコントラストがちょっと弱いような気がするので+2.0にしてみます。


イメージ 3
ドラマチック!


普通はここらあたりでやめておくのが無難なのですが、僕は極端な写真が好きなのでシャドウを-2.0、ハイライトを+2.0、彩度を+2.0にします。


イメージ 4
ちょっとやりすぎた


さすがにやりすぎましたね。赤がまた飛んでしまいました。

ここで注目する場所はヒストグラムです。

イメージ 5


赤色が右端を突き抜けてるのがわかると思います。こうなったら赤の階調が潰れてるので、これを修正します。

ハイライトを-2.0にし、フィルライトも0にしました。


イメージ 6
赤の階調が復活!


花弁の階調が戻りました。ヒストグラムを見ても赤は範囲内に収まっています。もうちょっとゆとりがあるので露出をちょっとずつ上げてみましょう。


イメージ 7


露出を-2.0から+0.3上げて-1.7にしたあたりで赤のヒストグラムが右端につきました。これ以上上げると破綻してしまうのでここでやめておきます。

最後に全体的に甘いような気がしたのでシャープネスを+2.0にしておきます。


イメージ 8
パッキリしました


とりあえずこれで完成。JPEGに保存します。


どうでしたか?赤を撮って破綻しているように見えた写真も実はセンサーはしっかり情報を記録しています。なので、赤を現像するときは露出を下げ目にするよう気をつければ、今回のようにドラマチックな赤を現像できます。

皆さんも試してみてください。


ではまた次回!



フォビオン現像テクニック(第十二回)クロスプロセス現像で想像力の限界を突破する!
フォビオン現像テクニック(第十三回)DP2+AML-1で至上のボケを堪能する!
フォビオン現像テクニック(第十四回)DP1の風景は六本の光芒で輝きを増す!