フォビオン現像テクニック(第一回)フィルライトを下げて闇に浮かぶ花を撮る!
SIGMA Photo Pro(SPP)を使ったフォビオンの現像には色々とテクニックがあるのですが、初心者向けに丁寧に手順を書いた記事があまりないので書いてみることにしました。
第一回目は上のような暗闇に花を浮かび上がらせる方法です。
さて、まずはカメラの設定ですが、フォビオンはRAWで撮らないと現像であれこれ変更できないので当然RAWで撮ります。ISOは出来る限り100が望ましいです。
今回のように背景を黒くして花だけを浮かび上がらせたい場合は、開放で撮った方が背景がざわつかず、きれいに黒くできます。なので、Aモードで開放近くで撮りましょう。
露出ですが、SPPの現像には上限と下限があり(±2.0)、今回のように背景を真っ黒にしたい場合は画面が明るすぎると下げきれません。なので、撮影時に露出を下げたのを撮っておくか、面倒ならオートブラケット±1.0で3枚撮っておくと後々便利です。
実は今回の写真もオートブラケットで3連写したもののうち、一番露出の低いものを使いました。元画像はこんな感じです。
オートブラケット 露出補正なし
オートブラケット -1.0
オートブラケット +1.0
とりあえず一枚目をSPPで開いてパラメーターを調整します。
背景を暗くしたいので露出、シャドウ、フィルライトは全て-2.0、さらにコントラストを+2.0にします。
出来る限り下げてもまだ背景が明るいです。なので、これはいったん現像をやめて、暗い方を開いてみます。
だいたい背景が消えました。ここからさらに調整していきます。
まず、背景がしっかり潰れているかどうか警告の表示をクリックして確認します。
このとき警告表示の値は下限を5、上限を250あたりにしておくといいと思います。
しっかり潰れているのが確認できました。
この段階で終わってもいいのですが、花びらの露出が低いのでちょっと上げていきます。露出を0に戻してみます。
このままでもいいんですが、フィルライトを下げると全体的に甘くなるのでシャープネスをかけてみます。思い切って+2.0にしました。
だいぶパッキリしました。
コントラストを上げると彩度も上がるので、ちょっと派手な色になってます。雰囲気を出すために彩度を-1.0にしてみました。
雰囲気が出てきました。
とりあえずこれで完成。JPEGで保存します。
これでもいいかなと思ったんですが、左側の余白がちょっと余計なのでトリミングします。
範囲を指定して
切り取りました。
あとはこれを保存して終了です。簡単ですよね。
フォビオンはRAWで撮ってあればSPPでかなり自由に画像の調整ができるので、とても使いやすいです。フォトショップなどの難しいソフトの操作を覚えなくても画面を見ながらパラメーターを調整するだけでいろいろな写真を現像できますよ。みなさんもぜひ試してください。
フォビオンの達人JIN X3さんもブログでフィルライトの使い方を書いた記事と、素晴らしい作例を紹介されています。参考にしてみてください。
Colors of Seasons
ということで第一回はフィルライトを下げて花を浮かび上がらせる方法でした。
ではまた次回!