DSLRマガジンによる山木社長インタビュー(CP+2011)

元記事
http://www.dslrmagazine.com/profesional/tecnicas-y-eventos-profesionales/entrevista-con-mr.-kazuto-yamaki-de-sigma.html

(原文はスペイン語なので、Google翻訳で英語に変換してから日本語に直しています。文意が正確ではない可能性があります)





CP+を取材中に、私たち(DSLRマガジン)はシグマの山木社長と、リラックスした雰囲気でインタビューをすることが出来た。 山木社長とはフォトキナや昨年のCP+でも何度もお会いしていたので、氏の人柄もあいまって、とても楽しいインタビューになった。

インタビューの話題は、フォビオンセンサー、CP+での展示、レンズ、SD1をはじめとするシグマのカメラ、ミラーレスカメラ、ナノテクノロジーなど。 フォビオンだけではなく様々な話題について、熱く語ってもらった。

私は個人的にシグマのDP2を使用しており、ベイヤーのように補完された画像ではない、豊かな色彩と、立体的な描写を気に入っている。 このことを社長に話すと、途端に氏の顔が輝き、最新のフォビオンの開発状況について詳しく教えてくれた。

フォビオン社は2008年にシグマに買収されたが、山木社長によると、フォビオン社はもともとカメラ用のセンサーを専門に開発していたわけではなく、携帯電話や産業用のセンサーを中心に開発をしていたそうだ。 

シグマの買収によってフォビオン社は、カメラ用の映像素子に集中することが出来るようになった。 けれども、それは必ずしもフォビオンが一般向けやプロ向けのカメラ用センサーしか作らないというわけではない。 例えば、欧州宇宙機関は将来の火星探査に向けて、フォビオンセンサーをテストしているそうだ。

SD1のセンサーは完全な新型で、センサーサイズはAPS-Cサイズの16 x 24mm。 4704 x 3136ピクセルの画像を出力でき、三層構造のため理論的には4425万画素となる。 これは3000万画素のベイヤーセンサーと同等の解像度になるそうだ。

現行のDPやSDシリーズの立体的な画像を考えると、新型のSD1の画像がどれほどのものになるのか、とても楽しみである。



DSLRマガジン
SD1の画像がこれほどなのは、現行の「アナログフロントエンド」機能のおかげなのですか?

山木
いえ、違います。新たに開発されたSD1のセンサーによるものです。 もし現行のフォビオンの画像が好みでしたら、SD1や他の新型センサーを搭載したカメラの画像をとても気に入ると思いますよ。

DSLRマガジン
フォビオンセンサーを搭載したカメラが他のメーカーから発売されるということはあるのでしょうか?

山木
もちろん可能性はありますが、今の所、シグマのカメラ以外にフォビオンセンサーを供給する予定はありません。

DSLRマガジン
フォビオンセンサーのサイズは変更可能なのでしょうか? どれくらいの大きさまで製造は可能なのでしょうか?

山木
サイズの変更は可能です。個人的にはフルサイズ、24 x 36mmのフォビオンを作るというのが夢ですね。

DSLRマガジン
中判サイズのフォビオンを作ることは出来ますか? ミラーレスの中判カメラのようなものが出来れば面白いと思うのですが。 中判カメラの大きなミラーはいろいろ問題が起きますから。

山木
うーん、そうですね、理論的には…、けれども、今の時点ではそれは全くの夢ですね。

DSLRマガジン
シグマはマイクロフォーサーズソニーNEXへのレンズ供給を新たに開始するとのことですが、これについて詳しく伺うことは出来ますか? 以前発売されていたフォーサーズマウント用のレンズは既製品のマウントを変更したもので、新規に開発されたものではありませんでしたよね。

山木
ミラーレス用のレンズは新しく設計されたものです。 写真撮影だけではなくビデオ用としても使えるように設計しました。 ミラーレスではビデオ撮影も重要なので、専用に特別な設計が必要なのです。 例えばミラーレス用のレンズは軽量でなければいけません。 現行の一眼レフ用のレンズでは大きすぎて、ビデオ用としては使うことは難しいと思います。 

ミラーレス用のレンズとして、二つの方向性があると思います。 一つはビデオ用に最適化されたレンズ。 もう一つはスチル撮影に最適化されたものです。 これを両方達成することは出来ません。 もしビデオのことを考慮しないで済むのなら、収差を補正した、明るいレンズを自由に設計することが出来ます。

DSLRマガジン
つまり、両方の目的を達成するためには、ある程度の妥協が必要ということですか?

山木
いえ、違います。妥協ではありません。 ただ、ビデオ用のレンズを作るときに、設計の自由度が狭まるということです。 レンズの重さや大きさ、収差の補正、フォーカス速度、明るさ、これらを全て同時に達成するのは難しいです。 特にビデオ用としてはオートフォーカスが重要なので、レンズだけではなく、機械的な部分での変更が必要です。

DSLRマガジン
かつてミノルタから、ズームとフォーカスを一つのリングで調節するレンズが発売されていましたね。 とても問題は多かったのですが。

山木
そうですね。 そのような機構はとても複雑になります。

DSLRマガジン
レンズの話ですが、シグマの製品ではいくつか新素材のFLDガラスを使っていますよね。 蛍石と光学的に同等の性能を持った、なおかつ蛍石の持つ欠点のないガラスです。 このガラスはHOYAとシグマが共同で開発したとのことですが、他のメーカーからもこのガラスを使ったレンズが発売されるのでしょうか?

山木
シグマはHOYAに特製の光学用ガラスを開発してくれるよう依頼しました。 高屈折率で、特異な分散傾向のない、そういうガラスです。 HOYAは開発に成功しましたが、独占契約を結んでいなかったので、他社にこのガラスを提供することが出来ます。 実際どのレンズがそうなのかは、HOYAの秘密に関わることですが。

DSLRマガジン
CP+で発表された新しいレンズの中にはハイブリッド非球面レンズを使用したものもありますよね。 このレンズはシグマではあまり見られなかったものだと思うのですが。

山木
そうですね、私たちは非球面レンズの製造に二種類の異なった技術を使っています。 一つはあらかじめ研磨された球面レンズを高温で鋳造する方法です。 もう一つは球面レンズの表面に非球面を生成していく方法です。

DSLRマガジン
フォビオンセンサーの開発能力や、先ほどのミラーレスレンズへの参入も考えると、シグマ自身がミラーレスカメラを作ることは出来ると思うのですが。

山木
いや、私たちの開発リソースは限られています。 それに現在ではオリンパスなど一部を除いて、一眼レフ、ミラーレス、コンパクトの全てを同時に生産している企業はありません。 マーケティング戦略としても、この三つのカテゴリーを同時に持つということは、考えるよりもはるかに難しいのです。

DSLRマガジン
確かにオリンパスは一眼レフのラインを縮小していますね。 ところでこのミラーレスのような
カメラはどのように呼ぶのが適切なのでしょうか? 新たに「コンパクトカメラシステム」とでも呼ぶのか、それとも「ミラーレス」を続けるのか。

山木
「ミラーレス」以外の何か新しい名前は必要なのかもしれませんね。 「レス」という言葉は多かれ少なかれネガティブな印象を与えますし。

DSLRマガジン
新技術についてですが、シグマの製品にとってナノテクノジーが与える影響というのは何がありますか?

山木
レンズやカメラの生産にはあまり関わりはないのですが、フォビオンセンサーの製造にナノテクノロジーは貢献しています。 ベイヤーセンサーは何十年にもわたる開発の歴史があり、圧倒的な蓄積があります。 けれども、私たちはフォビオンセンサーの構造に未来を見いだしました。 ベイヤーが歴史を通して経験してきたのと同じことを、私たちはフォビオンセンサーの開発を通して経験しています。 

もちろん、CCDなど、他の構造のセンサーがあることは良いことです。 例えば、コンパクトカメラが安い価格で手に入り、誰にでも使えるようになることは、CCDや他のセンサーがもたらす利点でしょう。 フォビオンにとっても違う方式のセンサーと競争を続けることは重要なことです。 企業が切磋琢磨することは全ての人にとって良いことですからね。

DSLRマガジン
まだSD1に搭載される新型の4400万画素フォビオンセンサーが、最終的にどのような画像を作り出すのかわかりません。けれども、CP+では実際に動作しているSD1が展示されていました。 発売はもうすぐだと考えてよろしいのでしょうか?

山木
展示してあるSD1は動作はしますが、完成品ではありません。 現在は様々なバグを取り除いている段階ですので、すぐに市場には出せません。

DSLRマガジン
今年中には出ますよね?

山木
そこまで遅くはなりません(笑い)

DSLRマガジン
半年後とか?

山木
「今年中には確実に」と言っておきます。