土門拳に学ぶ(その2)
まずは構図から真似てみようということで、できるだけ同じような感じになるように撮ってみたんですが、自分のはあんまいい写真じゃないです。土門拳の写真の良さは直線のパターンの配置にあるのかなと最初思ってたんですが、どうもそれだけじゃない。
もちろん、「法隆寺だから」というのは一番大きな理由だと思うんですが、法隆寺の回廊を撮ったら誰もがこういう風に撮るわけでもなく、なにか撮った必然があるんじゃないかなと。というか、この場所に立って「撮ろう」と思わせる何かが画面にあったような気がします。
で、それは柱の隙間から差し込んだ日差しの白さと、回廊の奥の暗い扉だか門だかの対比というのが、この写真全部を締めてるように思えてきました。なので、この写真の題は法隆寺の回廊ってことになってるけど、本当に写したかったのは「日差し」なんじゃなかろうかと。ここに光が差し込んでなかったら、たぶんこれは撮ってなかったような気がします。
ということで、同じ場所に行って今度は日差しを撮って来ました。あれこれ撮影場所を変え、レンズを変え、構図を変えとやって、「直線のパターンの配置」「日差し」「暗闇」の配置を考えたのがこれ。
荒子架道橋
SD1 Merrill ISO100 70mm macro F8 1/50秒
SD1 Merrill ISO100 300mm APO Telemacro F10 1/15秒
構図を真似ただけの写真よりは、こっちのほうが本質に近づけたんじゃないかなと。